日本で一番売れているノンアルコールビールは、何でしょうか。
スーパーやコンビニには、「ドライゼロ」「オールフリー」「アサヒゼロ」「グリーンズフリー」など、いくつもの定番商品が並んでいます。
公開されているメーカー資料や販売データを調べたところ、2025年に最も売れたと考えられるのは、アサヒ「ドライゼロ」でした。
年間の販売規模は、350ml換算で約3億本と推定されます。
今回は、メーカー各社の公式発表を最優先し、2025年の年間販売数量が公表されていない上位ブランドについてのみ、過去の公式販売数量や直近の販売動向、POSデータを使って販売規模を推定しました。
各社で「ケース」の定義も異なるため、比較しやすいよう、すべて350ml換算に統一しています。
2025年 ノンアルコールビール販売本数ランキング
公開情報から推測してみた、販売本数のランキングがこちらです。
| 順位 | ブランド名 | 本数 | 備考 |
| 1 | アサヒ ドライゼロ | 約3億本 | 推定 |
| 2 | サントリー オールフリーブランド | 2億本台後半 | 推定 |
| 3 | アサヒゼロ | 約9,260万本 | 公式実績 |
| 4 | キリン グリーンズフリー | 約7,000万本前後 | 推定 |
| 5(候補) | キリン ラガーゼロ | 約1,989万本 | 公式実績 |
※「オールフリー」は、サントリーが公表している「オールフリーブランド」全体で掲載しています。「オールフリー」単品の販売数量ではありません。
※「ラガーゼロ」は2025年9月30日発売です。販売数量自体は公式実績ですが、サッポロ「プレミアムアルコールフリー」など年間販売数量が公表されていない既存商品があるため、「5位候補」としています。
こうまとめてみると、上位がかなり突き抜けていることがわかります。
1位 アサヒ ドライゼロ:約3億本
2025年の1位は、アサヒ「ドライゼロ」と考えるのが最も妥当です。
ドライゼロは2012年発売。
https://www.asahibeer.co.jp/brand/dryzero/
アサヒビールによると、インテージSRI+のノンアルコール飲料市場において、2016年から2025年まで10年連続で販売金額No.1を獲得しています。
過去の販売数量を見ても、その規模は突出しています。
- 2017年:約2億5,200万本
- 2018年:約2億6,000万本
- 2019年:約2億8,200万本
- 販売実績は、翌年の販売計画と前年比から逆算
- 2023年:販売数量は前年比105%
- 2024年:前年比110%となり、過去最高を更新
- 2025年上期の食品スーパーPOSでも、ドライゼロの主要SKUを合計した販売金額シェアは約34%と、最大でした。
これらを総合すると、2025年も年間約3億本規模と考えるのが自然です。
1商品だけで年間数億本。
ドライゼロは、日本のノンアルコールビール市場で圧倒的に大きな存在です。
以前、私が飲んだ際のレビューは、下記の記事に記載しています。
2位 サントリー オールフリーブランド:2億本台後半
2位は、サントリーの「オールフリーブランド」です。
https://www.suntory.co.jp/non-al/allfree/
こちらも巨大です。
サントリーの公式発表によると、ブランド全体の販売数量は、
- 2021年:881万ケース
- 2022年:851万ケース
- 2023年:840万ケース
でした。
2023年の840万ケースを350ml換算すると、約3億400万本です。
2024年の販売計画も850万ケース、約3億700万本相当でした。
2025年上期の食品スーパーPOSでは前年同期よりやや弱い動きだったため、2025年は2億本台後半の規模と推定しました。
※ここで少し注意が必要なのは、「オールフリー」という名前です。
サントリーが公表している「オールフリーブランド」の販売数量には、通常の「オールフリー」だけでなく、「からだを想うオールフリー」なども含まれます。
実際、「からだを想うオールフリー」だけでも2022年に374万ケース、350ml換算で約1億3,500万本を販売していました。
オールフリーは、一つの商品というより、ブランド群として巨大な販売規模を持っています。
以前、私が飲んだ際のレビューは、下記の記事に記載しています。
3位 アサヒゼロ:約9,260万本
3位は「アサヒゼロ」。
ここは推定ではなく、2025年の公式販売実績があります。
アサヒビールが発表した2025年の販売数量は256万箱。
大びん633ml×20本換算なので、350mlに直すと、約9,260万本です。
ほぼ1億本です。
しかもアサヒゼロが全国発売されたのは2024年4月。
2024年の販売数量は172万箱、350ml換算で約6,220万本でした。
2024年:約6,220万本
↓
2025年:約9,260万本
わずか1年で約3,000万本増え、前年比149%まで伸びています。
発売からまだ2年足らずで、年間1億本が見えるところまで来ました。
ドライゼロが巨大なトップブランドである一方、足元で特に勢いがあるのがアサヒゼロです。
アサヒビールが、ノンアルコールビール市場において、大きな存在感があることが、よくわかります。
以前、私が飲んだ際のレビューは、下記の記事に記載しています。
4位 キリン グリーンズフリー:約7,000万本前後
4位は、キリン「グリーンズフリー」と推定しました。
グリーンズフリーは2020年発売。
キリンの公式発表によると、2022年4~12月には3,800万本を販売しました。
2023年は前年から約1.5倍。
さらに2024年1~10月には前年同期比約130%で推移し、2024年11月には発売以来の累計販売本数が2億本を突破しています。
2025年上期の食品スーパーPOSは前年とおおむね同水準です。
過去の販売動向と2025年のPOSを組み合わせると、2025年の販売規模は約7,000万本前後と推定されます。
年間1億本には届かないものの、それでも数千万本が動く大型商品です。
以前、私が飲んだ際のレビューは、下記の記事に記載しています。
5位候補 キリン ラガーゼロ:約1,989万本
5位候補として挙げたいのが、キリン「ラガーゼロ」です。
ラガーゼロが発売されたのは、2025年9月30日。
2025年の販売実績は55万ケースでした。350ml換算すると、約1,989万本です。
しかも発売から約1か月の時点ですでに30万ケース、約1,085万本相当を販売していました。
2025年は約3か月しか販売期間がなかったにもかかわらず、約2,000万本まで到達しています。
ただし、発売直後の販売ペースをそのまま1年間に引き伸ばすことはできません。
2025年は「5位候補」としましたが、通年販売となる次年度以降、ランキングがどう変わるのか注目したい商品です。
以前、私が飲んだ際のレビューは、下記の記事に記載しています。
日本のノンアルコールビール市場は年間約8.7億本
では、これらを合わせた日本市場全体は、どれくらいの規模なのでしょうか。
サントリーの「ノンアルコール飲料レポート2025」によると、2025年の日本のノンアルコール・ビールテイスト飲料市場は3,615万ケースと予測されています。
この資料では、1ケース=350ml×24本です。
したがって、3,615万ケース × 24本 = 8億6,760万本となります。
つまり、日本では年間約8.7億本分のノンアルコール・ビールテイスト飲料が動く市場になっています。
市場規模の推移を350ml換算すると、
- 2023年:約7億6,900万本
- 2024年:約8億5,100万本
- 2025年:約8億6,800万本(予測)
となっています。
2023年から2024年にかけて大きく拡大し、2025年も高い水準が続いています。
年間9億本に迫る市場。
そう考えると、「ノンアルコールビール」はもはや小さな特殊カテゴリーとは言いにくい規模になっています。
約3億本のドライゼロは、やはり巨大
市場全体が約8.7億本。
その中で、ドライゼロは約3億本規模と推定されます。
単純に比べれば、市場全体の3分の1前後に相当する大きさです。
もちろん、市場全体は2025年予測値、ドライゼロは複数の公開データからの推定値なので、厳密な市場シェアを示す数字ではありません。
それでも、
- ドライゼロは年間3億本
- 日本市場全体は年間9億本
という二つの数字を並べると、その存在感はよく分かります。
一方で、アサヒゼロはすでに年間約9,260万本まで成長。
グリーンズフリーも数千万本規模です。
さらに2025年秋にはラガーゼロが登場しました。
トップ商品の強さは際立っていますが、その周辺でも競争が動いています。
「売上No.1」と「販売本数No.1」は同じではない
今回の調査では、「売上」という言葉にも注意しました。
例えば、ドライゼロの「10年連続売上No.1」は、インテージSRI+による販売金額ベースのNo.1です。
販売金額と販売本数は、必ずしも一致しません。
150円の商品を100本販売すれば、売上は1万5,000円。
200円の商品なら、80本でも1万6,000円です。
後者の方が売上金額は大きくても、販売本数は少なくなります。
そのためこの記事では、「売上No.1」という情報だけではなく、過去の販売数量や直近の販売動向、POSデータも合わせて順位を判断しました。
なぜ「ケース」ではなく350mlの本数に直したのか
もう一つ、調べていてややこしかったのが「ケース」という単位です。
飲料メーカーの販売資料には、
「年間○○万ケース」
という数字が頻繁に登場します。
ところが、すべてのケースが同じ量とは限りません。
例えばメーカー資料では、
大びん633ml×20本=1ケース
という換算が使われることがあります。
一方、ノンアルコール市場全体を示すサントリーの調査では、
350ml×24本=1ケース
です。
同じ「100万ケース」でも、中身の量が違います。
そこで本記事では、すべて可能な限り350ml 1本分へ換算しました。
例えばアサヒゼロの256万箱なら、
256万 × 633ml × 20本 ÷ 350ml
として、
約9,260万本。
業界資料では「ケース」が便利なのでしょうが、飲む側からすると、「結局何本くらい売れているのか」の方がイメージしやすいと思います。
まとめ:2025年の1位はドライゼロ、年間約3億本規模
2025年の日本のノンアルコールビール販売規模を、公開情報から350ml換算して比較すると、
- 1位 アサヒ ドライゼロ:約3億本
- 2位 サントリー オールフリーブランド:2億本台後半
- 3位 アサヒゼロ:約9,260万本
- 4位 キリン グリーンズフリー:約7,000万本前後
- 5位候補 キリン ラガーゼロ:約1,989万本
となりました。
そして、日本のノンアルコール・ビールテイスト市場全体は、2025年予測で約8億6,760万本。
公開情報を総合すれば、2025年に日本で最も売れたノンアルコールビールは、アサヒ「ドライゼロ」と考えてよいでしょう。
年間約3億本。
ただ、ランキングの下では変化も起きています。
アサヒゼロは発売2年目で年間1億本目前まで伸び、キリンからはラガーゼロも登場しました。
日本のノンアルコールビール市場が今後どう変わるのか。
各社から新しい年間販売実績が公表された際には、本記事も更新していきます。
調査方法・注記
本記事は2026年8月時点で確認できるメーカー公式資料、販売実績、POSデータ等をもとにASTROCA Journal編集部が作成しました。
公式の年間販売数量が確認できる商品は、その実績値を350ml換算しています。
年間数量が公表されていない商品・ブランドは、過去の公式販売数量、公式発表された前年比、POS販売金額などを参考に販売規模を推定しています。
販売金額シェアと販売数量シェアは一致しません。また、メーカー出荷数量と小売販売数量も厳密には異なります。
2025年の市場規模約8億6,760万本は、サントリーが2025年8月に発表した市場予測3,615万ケースを350ml換算した値です。
主な参考資料
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サントリーホールディングス「サントリー ノンアルコール飲料レポート2025」
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アサヒビール「アサヒドライゼロ」10年連続売上No.1
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アサヒビール「2020年アサヒビール事業方針」
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アサヒビール「アサヒゼロ」2025年販売実績
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サントリーホールディングス「2024年 サントリー(株)ビール事業方針」
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キリンホールディングス「グリーンズフリー」累計2億本
-
キリンホールディングス「2026年 キリンビール事業方針」