日本ビールのノンアルコールビール「龍馬1865」を飲みました。
結論から言うと、不味くはありません。ただし、「ビールらしいか」と聞かれると、私はかなり疑問です。
香りは人工的にオレンジを作ったような印象で、ラガーらしさはほとんど感じませんでした。口に含むと、最初に大麦の甘さが出てきます。
一方で、強めの炭酸は好印象です。
総合すると、私の中ではノンアルコールビールとして中位くらい。私はそもそも市販のノンアルコールビール全般をかなり厳しく評価しているので、「不味くはない」という時点で中位に入ります。
龍馬1865とは
龍馬1865は、日本ビール株式会社が販売するアルコール0.00%のノンアルコールビールです。
内容量は350ml。公式サイトでは麦芽100%、2種類のホップを使用し、原材料についても「麦芽、ホップ、炭酸のみ」と説明しています。メーカーによる「美味しさの評価」では、香り・苦味・バランスのすべてが最高評価の5段階です。
https://www.nipponbeer.jp/lineup/ryoma1865-can/
かなり自信のある商品設計だということは伝わってきます。
実際、龍馬1865について検索すると、原材料のシンプルさやビールらしさを評価するレビューが多く見つかります。
一方、ノンアル専門メディアAlldropでは「ビールらしさ」を5段階中2と評価しており、必ずしも評価は一様ではありません。
https://alldrop.jp/non-alcoholic-beer/nippon-beer-ryoma1865/
私はASTROCAの商品開発の参考として、国内外のノンアルコールビールを継続的に飲み比べています。
今回は、その観点から率直に見ていきます。
香りは、人工的なオレンジのよう
開けて最初に感じた香りは、人工的な香料でオレンジを作ったような香りでした。
そして、この時点で私にはあまりラガーらしさがありませんでした。
公式は「ビール通ごのみ」を掲げていますが、少なくとも香りについては、私の知っているラガービールの方向とはかなり違います。
最初に来るのは、大麦の甘さ
口に含むと、最初に感じたのは大麦の甘さでした。
しかも私には、あまり良い方向の麦の甘さには感じられませんでした。
麦芽を使えば、それだけでビールらしくなるわけではありません。
ビールでは発酵を含むさまざまな工程を経て味が組み上がります。龍馬1865の開発では、麦芽100%の大麦麦芽を原料として採用したことがメーカーへの取材でも説明されています。
原料として麦芽を使っていることと、飲んだときにビールらしく感じることは別問題だと、今回あらためて感じました。
強い炭酸は良かった
明確に良かったのは炭酸です。
かなり強めの炭酸で、ここは好印象でした。
ノンアルコールビールは、味そのものが弱いと全体までぼやけて感じることがあります。
龍馬1865については、少なくとも炭酸の強さが飲み物としての輪郭を作っていました。
「ビールと同じ原材料」は、今や強い差別化なのか
龍馬1865は、パッケージや公式サイトで「ビールと同じ原材料」であることを強く訴求しています。公式サイトでも「麦芽、ホップ、炭酸のみ」と説明されています。
この思想自体は理解できます。
実際、日本ビールは龍馬1865の開発において、ノンアルコールビールをビールのような味にするために添加物を増やすのではなく、できるだけシンプルな原料構成を目指したと説明しています。
ただ、2026年現在に飲む側として見ると、「ビールと同じ原材料を使っている」だけでは、私はそれほど強い差別化を感じません。
重要なのは原材料の名前ではなく、最終的にグラスの中でどういう味になっているかです。
しかも龍馬1865では炭酸も原材料として別記されています。
原材料をシンプルにする思想には意味がある。
しかし、それ自体が美味しさを保証するわけではありません。
なお、ノンアルコールビールの製法については、下記の記事にて、詳しく解説しています。
「まさにビールを飲むが如し」には遠かった
そして、今回もっとも引っかかったのが、缶に書かれている「まさにビールを飲むが如し」という言葉です。
少なくとも私が今回飲んだ一杯について言えば、これはかなり強すぎる表現に感じました。
人工的なオレンジを思わせる香りがあり、ラガーらしさは乏しい。
飲み始めには大麦の甘さが出る。
私には「ビールそのものを飲んでいる」感覚はありませんでした。
強炭酸なのは良かったものの、それだけでビールになるわけではありません。
なぜ「龍馬1865」なのか
ちなみに、ここまで坂本龍馬を前面に出したパッケージなので、私は当初、高知との地域的なつながりがある商品なのかと思いました。
しかし商品名の由来は、そういうものではありません。
日本ビールによると、もともと同社が幕末・明治維新の人物をラベルにしたビールを販売しており、その中で坂本龍馬の商品が人気だったこと、さらに当時の社長が坂本龍馬を好んでいたことから「龍馬」ブランドへ発展したそうです。
「1865」は、坂本龍馬が長崎でグラバーからビールを譲り受け、初めてビールを飲んだと伝えられている年に由来します。
つまり、高知発の商品というより、坂本龍馬という人物とビールにまつわる逸話をブランド化した商品という理解のほうが近そうです。
総評:不味くはない。それだけで私の中では中位
龍馬1865を飲んだ私の評価は、ノンアルコールビールとして中位くらいです。
これは褒めているようには聞こえないかもしれません。
ただ、私はこれまで市販のノンアルコールビールを飲んで、明確に「不味い」と感じることがかなりありました。
その基準でいえば、龍馬1865は不味くありません。
ノンアルコールビールが美味しくなりづらい理由については、下記の記事にて詳しく解説しています。
一方で、メーカーが強く打ち出すビールらしさには、私は同意できませんでした。
人工的なオレンジを思わせる香り。
最初に来る大麦の甘さ。
ラガーらしさの乏しさ。
その中では強い炭酸が良かった、というのが今回の率直な感想です。
「まさにビールを飲むが如し」ではない。でも、ノンアルとして破綻しているわけでもない。
私にとっては、そんな一本でした。
ASTROCAの商品開発で持ち帰ること
今回もっとも印象に残ったのは、原材料のシンプルさと、飲んだときのビールらしさは別物だということです。
「麦芽とホップを使っている」「ビールと同じ原材料」という説明は、商品への興味や安心感にはつながるかもしれません。
しかし最終的に評価されるのは、飲んだ瞬間の香りと味です。
ASTROCAでも、原材料や製法の説明そのものを価値だと思わないようにしたい。
飲み物として美味しいか。
また飲みたいと思えるか。
最後はそこだと思います。
※見出し画像は、外観を参考にAIで作成したイメージであり、実際の商品写真ではありません。