禁酒すると顔は変わる?むくみ・フェイスライン・肌の変化を科学的に整理

公開: 更新: 執筆・編集: アストローカ創業者

「禁酒すると顔が変わる」。

結論から言えば、顔が変わって見えることは十分あり得ます。

ただし、禁酒によって顔そのものが急に作り替わるわけではありません。

  • 目元や顔の腫れぼったさが変わる
  • 体重が減れば、フェイスラインも変わる
  • 肌の見え方が変わる

つまり、「禁酒で顔が変わる」という一言の中に、いくつもの別の変化が混ざっています。

何がどう変わるのか、一つずつ見ていきます。

目元や顔の腫れぼったさが、見た目を変える

大きいのが、朝の顔です。

飲んだ翌朝、「顔がパンパンしている」「目の下が腫れぼったい」と感じたことがある人もいるでしょう。


米国、英国、カナダ、オーストラリアの女性3,267人を対象にした研究では、週8杯以上飲む人ほど、目の下のむくみを含む複数の顔面老化所見が強い傾向が確認されています。


実際の飲酒では、アルコールだけを切り離して考えることもできません。

塩分の多いつまみを食べる。飲みながら夜更かしする。普段とは違う食事になる。

そうした飲酒に伴う行動まで含めて、翌朝の顔に表れます。


だから、禁酒している人が、「朝の顔がすっきりした」と感じても、それほど不思議ではありません。


ただ、「酒は身体を脱水させるから、その反動で顔がむくむ」と一本のメカニズムだけで説明するのは雑です。

顔の腫れぼったさは、飲酒そのものだけではなく、その夜の食事や睡眠まで含めた結果として考えた方が自然です。


フェイスラインまで変わるなら、体重も関係する

禁酒前後のBefore / After写真では、頬や顎まわりまで細くなっている人がいます。

ここまで来ると、「むくみが取れた」だけでは説明できません。

体重そのものが変わっている可能性があります。


2018年の研究では、普段から一定量以上の酒を飲んでいた健康な成人94人が1カ月禁酒しました。

1カ月後、体重は1.5%減少。さらに血圧やインスリン抵抗性などにも改善が見られました。


考えてみれば、酒にはそれ自体にエネルギーがあります。

さらに人によっては、

酒を飲む
→ つまみを食べる
→ 締めを食べる

までが一つのセットになっています。


禁酒によってこれらも減れば、摂取エネルギーはさらに変わります。

体重が変われば、頬や顎の輪郭が変わって見える人がいてもおかしくありません。

つまり、禁酒後にフェイスラインがすっきりしたとしても、

「アルコールが身体から抜けて小顔になった」というより、目元や顔の腫れぼったさに加えて、体重変化まで重なっている

と考えると分かりやすいでしょう。


禁酒すると「肌がきれいになる」のか

顔の色や輪郭だけではありません。

最近、日本人を対象にした研究でも、飲酒習慣と肌の見え方との関係が報告されています。

2025年にScientific Reportsで発表された研究では、40〜64歳の日本人527人の顔を専用機器で撮影しました。

評価したのは、

  • シミ
  • シワ
  • 肌の質感
  • 毛穴
  • UVスポット
  • 茶色いシミ
  • 赤み
  • ポルフィリン

の8項目です。

そこから算出した「皮膚年齢」を実年齢と比較すると、男性では現在飲酒していることが、実年齢に対して高い皮膚年齢と関連していました。

海外の女性3,267人の研究でも、多量飲酒は、

  • 顔上部のライン
  • 目の下のむくみ
  • 頬に見える血管
  • 顔中央部のボリューム低下

などと関連していました。

ここから「禁酒すればシワが消える」とまでは直接的な因果までは言えません。

ただ、飲酒習慣と「老けて見える顔」の特徴がまったく無関係というわけでもないことは分かります。


「禁酒してから、なんとなく肌まで健康的に見える」

という人がいる背景には、こうした違いも含まれているのでしょう。


海外でいう「Sober Glow」の正体

英語圏では、断酒後に顔や肌が健康的に見える変化を、俗にSober Glow(しらふの輝き)と呼ぶことがあります。

 

輝くというより、おそらく実態はもっと地味です。

  • 目元や顔の腫れぼったさが変わる
  • 体重が減れば輪郭が変わる
  • 飲酒に伴っていた食事や睡眠も変わる

そうした小さな変化が同時に起きれば、

  • なんか顔がすっきりした
  • 健康的に見える
  • 前より若く見える

という印象になる。

 

「禁酒すると顔が変わる」という現象を理解するなら、何か一つの劇的な作用を探すより、複数の変化の合計と考えた方がしっくりきます。

 

禁酒して何日で顔が変わる?

「禁酒すると顔が変わる」と聞けば、次に気になるのは、何日で変わるのか?でしょう。

ここも、顔の何を見るかで時間が違います。

 

翌朝から違いを感じやすいもの:目元や顔のコンディション

飲酒した夜と飲まなかった夜では、飲食や睡眠まで含めた過ごし方が変わります。

そのため、目元や顔の腫れぼったさなどは、比較的短期間でも違いを感じやすい部分です。

数週間〜1カ月で変わり得るもの:フェイスライン

ここからは体重や生活習慣の影響が大きくなります。

実際、1カ月禁酒した研究では体重減少が確認されています。

飲酒由来の摂取エネルギーや、つまみ・夜食まで減った人なら、頬や顎まわりまで違って見えてくる可能性があります。

 

つまり、「禁酒○日目に突然顔が変わる」のではありません。

  • 短期的:目元や顔のコンディションは短期
  • 中長期的:体重や輪郭はもう少し長い時間

それぞれ違う変化が積み重なって、「顔が変わった」になります。

 

「禁酒すると若返る」は、少し話を盛りすぎ

ここまで見ると、「じゃあ禁酒すれば若返るのか」と思うかもしれません。

さすがに、そこまで単純ではありません。

 

シワも、たるみも、シミも、顔の輪郭も、飲酒だけで決まるものではありません。

紫外線、喫煙、加齢、体重、睡眠など、多くの要因が関係します。

 

「禁酒すれば整形級に若返る」「劇的にモテる」まで行くと、さすがに話を盛りすぎです。

ただし逆に、「禁酒で顔が変わるなんて、全部オカルトだ」と片付けるのも違いました。

 

  • 飲酒量と目元のむくみには関連があります
  • 1カ月の禁酒で体重が変わった研究もあります
  • 日本人では、現在の飲酒習慣と高い皮膚年齢との関連も報告されています

こうして一つずつ分解すると、「禁酒すると顔が変わる」という話にも、ちゃんと理由がありました。

 

正直に言うと、筆者はうさんくさいなと思いながら調べていたのですが、よく見ていると、確かに相関している事例はありました。

 

禁酒で顔が変わるというより、「酒で変わっていた部分」が変わる

「禁酒すると顔が変わる」。

最初に聞くと、少し怪しい話です。

でも実際には、突然別人の顔になるわけではありません。

 

酒を飲んだときに赤くなっていた顔が、赤くならなくなる。

朝の目元や顔のコンディションが変わる。

飲酒量や食生活が変われば、体重やフェイスラインまで変わることがある。

 

長い目で見れば、飲酒習慣は肌の見え方とも関係しています。

つまり、禁酒で顔そのものが変わるというより、酒によって変わっていた顔のいくつかの要素が、飲まなくなることで変化する。

その積み重ねを鏡で見たときに、「なんか、顔が変わったな」と感じる。

そう考えると、「禁酒すると顔が変わる」という話は、思っていたほど不思議なものではありません。

 


主要参考文献

  • Takeshita T, Yang X, Morimoto K. Association of the ADH2 genotypes with skin responses after ethanol exposure in Japanese male university students. Alcohol Clin Exp Res. 2001.

  • Van Den Abbeele J, et al. Increased Facial Attractiveness Following Moderate, but not High, Alcohol Consumption. Alcohol Alcohol. 2015.

  • Mehta G, et al. Short-term abstinence from alcohol and changes in cardiovascular risk factors, liver function tests and cancer-related growth factors: a prospective observational study. BMJ Open. 2018.

  • Goodman GD, et al. Impact of Smoking and Alcohol Use on Facial Aging in Women: Results of a Large Multinational, Multiracial, Cross-sectional Survey. J Clin Aesthet Dermatol. 2019.

  • Ninomiya T, et al. Risk factors associated with higher skin age relative to chronological age in community-dwelling middle-aged Japanese adults. Scientific Reports. 2025.

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