ノンアルコールビールは毎日飲んでも大丈夫?研究から分かったこと

公開: 更新: 執筆・編集: アストローカ創業者

「ノンアルコールビールを、ほぼ毎日飲んでいる」

アルコールは入っていない。それでも、毎日となると少し気になる。

「ノンアルとはいえ、毎日飲んで大丈夫なのだろうか?」

 

結論から言えば、アルコール0.00%のノンアルコールビールについて、健康な成人が毎日飲むこと自体を特別に避けるべきだとする強い根拠は、現在のところ見当たりません。

 

むしろ、普段飲んでいるビールを0.00%のノンアルコールビールへ置き換えるのであれば、アルコール摂取量を減らすことができます。

「毎日かどうか」だけを見ると、この大きな違いを見落としてしまいます。

なお、この記事ではパッケージに「アルコール0.00%」と表示されたビールテイスト飲料を中心に扱います。

0.5%前後など、微量のアルコールを含む飲料については別の話です。

 

普通のビールを毎日飲むのと、0.00%を毎日飲むのは同じではない

「ビールを毎日飲むのは、体によくないのでは?」

そう考えるのは自然です。

ただし、普通のビールを毎日飲む場合に健康上で重要になるのは、ビールらしい味や炭酸ではありません。

アルコールを摂取することです。

 

厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」も、飲酒による健康リスクを考えるときには、飲んだ酒の容量ではなく、その中に含まれる純アルコール量に注目することが重要だとしています。

たとえば、アルコール5%のビール500mLには約20gの純アルコールが含まれます。

 

一方、0.00%のノンアルコールビールでは、この「毎日のアルコール摂取」がありません。

見た目は似ている。

味もビールを目指している。

でも健康について考えるなら、「普通のビールを毎日1本」と「0.00%を毎日1本」は、同じ“毎日ビール”ではありません。

 

普通のビールから置き換えるなら、むしろ話は逆

実際に、日本では「酒をノンアル飲料へ置き換えるとどうなるか」を調べた研究があります。

筑波大学などの研究チームが2023年に発表したランダム化比較試験では、週4日以上飲酒するなど、飲酒量の多い成人123人を対象に、一方のグループへ12週間ノンアルコール飲料を提供しました。

その結果、12週時点で直近4週間のアルコール摂取量は、ノンアル飲料を提供されたグループでベースラインから平均320.8g減少しました。対照群の減少は76.9gでした。

さらに、提供終了後にも差が残りました。

 

2026年には、同じ筑波大学の研究チームが、過剰飲酒傾向のある労働者278人を対象にした別のランダム化比較試験も発表しています。

こちらでも、ノンアル飲料を提供したグループでは総アルコール摂取量が減少しました。特に減ったのは、1回に飲む量よりも飲酒する頻度でした。

 

つまり、毎晩ビールを1本飲んでいた人が、毎晩0.00%のノンアルを1本飲むようになった。

 

「毎日飲んでいる」という頻度だけなら変わりません。

しかし、アルコール摂取量はまったく違います。

 

ノンアルコールビールについて「毎日だから体に悪いのでは」と考える前に、何の代わりに飲んでいるのかも重要なのです。

※上記2つの研究はいずれもアサヒビールから研究資金の提供を受けています。論文では、研究設計、データ収集・解析、解釈、論文執筆等には資金提供者が関与していないと開示されています。

 

本当に「毎日ノンアル」を飲ませた研究ではどうだった?

では、アルコール摂取量の置き換えではなく、実際に毎日ノンアルコールビールを飲み続けてもらったらどうなるのか。

これを調べた研究もあります。

2022年、ポルトガルの研究チームは健康な男性22人を、0.0%のノンアルコールビールを飲むグループと、5.2%のビールを飲むグループに分けました。

量は1日330mL。期間は4週間です。

その結果、0.0%群では体重や体脂肪量は増加せず、研究全体として血清の主要な心血管・代謝関連指標にも有意な変化は認められませんでした。

「0.0%のノンアルコールビールを毎日1本飲んでも、健康状態は特に変わらない」という結果でした。

 

さらに2025年には、健康な若い男性44人に、3種類のノンアルコールビールまたは水を1日660mL、4週間摂取してもらうランダム化試験も行われています。こちらは0.5%未満のノンアルビールを対象とした研究です。

興味深いのは、3種類のノンアルビールで結果が同じではなかったことです。

甘いミックスビールやヴァイツェンでは血糖・インスリン・中性脂肪などの一部に変化がみられた一方、ピルスナーでは糖代謝への同様の悪化は確認されませんでした。

研究者らは、各飲料のカロリーや炭水化物量の違いが影響した可能性を指摘しています。

ここから言えるのは、「ノンアルを毎日飲むのは危険」ではありません。

同じノンアルという名前でも、飲料の中身が違えば影響も違いうる、という当たり前の話です。

 

ノンアルコールビールのカロリーや糖質は、実際どのくらい?

ノンアルコールビールについて調べると、「カロリーに注意」「糖質に注意」という説明をよく見かけます。

毎日飲むなら中身を知っておくことには意味があります。

 

では、実際のノンアルコールビールには、どのくらいのカロリーや糖質が含まれているのでしょうか。

2026年時点で販売されている主要な0.00%ビールテイスト飲料を、100mLあたりで比べると次のようになります。

商品 エネルギー 糖質
サントリー オールフリー 0kcal 0g
アサヒ ドライゼロ 0kcal 0g
サッポロ プレミアムアルコールフリー 12kcal 2.9g
キリン ラガーゼロ 21kcal 5.0g

 

かなり幅があります。

 

オールフリーやドライゼロのように、カロリーゼロ・糖質ゼロの商品もあります。

一方、麦芽由来の味わいをしっかり残した商品では、ある程度の糖質やカロリーを含むものもあります。

 

それでも、ジュースに比べて、はっきりとカロリーや糖質が高いかと言うと、場合によります。

たとえば通常のコカ・コーラは100mLあたり45kcal、炭水化物11.3gです。

350mL飲んだ場合に単純換算すると、

  • オールフリー:約0kcal
  • ドライゼロ:約0kcal
  • サッポロ プレミアムアルコールフリー:約42kcal
  • キリン ラガーゼロ:約74kcal
  • コカ・コーラ:約158kcal

となります。

 

つまり、「ノンアルコールビールは糖質やカロリーが多い飲み物」と一括りにするのは、実態に合いません。

むしろ日本の主要な0.00%ビールテイスト飲料には、一般的な加糖清涼飲料と比べて低カロリーな商品が多く、カロリー・糖質ともゼロを掲げる商品まであります。

もちろん、水や無糖茶のようにほぼカロリーのない飲料もありますし、ノンアルコールビールの中でも商品差があります。

大切なのは、「ノンアルだから糖質が多い」と考えるのではなく、その商品の栄養成分表示を見ること。

カロリーや糖質はノンアルコールビール特有の健康リスクではなく、どんな飲料を毎日飲む場合にも共通する話です。

 

添加物が入っているから、毎日は避けた方がいい?

もう一つ、ノンアルコールビールの記事でよく出てくるのが「添加物」です。

香料、酸味料、甘味料などを使った商品はあります。

しかし、「添加物が入っているから、ノンアルコールビールを毎日飲むと体に悪い」と結論づける根拠は確認できません。

 

日本では食品添加物について、食品安全委員会が人の健康への影響を科学的に評価し、その評価を踏まえて、健康を損なうおそれのない範囲で使用基準などが設定されています。

 

  • 原材料がシンプルな商品を好む。
  • 人工甘味料を使っていない商品を選ぶ。

それは個人の好みとして当然あり得ます。

 

しかし、「添加物を使っている」ことと「毎日飲むと危険」は同じ意味ではありません。

 

0.00%のノンアルにも「休肝日」は必要?

では、毎日ではなく、ときどきノンアルも休んで「休肝日」を作った方がいいのでしょうか。

アルコール0.00%のノンアルコールビールについて、アルコール飲料と同じ意味での休肝日を設ける理由はありません。

厚生労働省が休肝日を勧めるのは、あくまで飲酒、つまりアルコール摂取についてです。

厚生労働省の資料でも、健康に配慮した飲酒の方法として「一週間続けての飲酒をしない」とする一方、「アルコールの入っていない飲み物」も利用するよう案内しています。

0.00%のノンアルコールビールを飲んだ翌日に、「昨日もノンアルを飲んだから、今日は肝臓を休ませないと」と考える必要はありません。

普通のお酒の常識を、そのまま0.00%に持ち込まなくていいのです。

 

結局、ノンアルコールビールは1日何本まで?

「毎日でもいいなら、1日何本まで?」

という疑問も出てきます。

今回確認した研究や公的な飲酒ガイドラインには、0.00%のノンアルコールビールについて「1日○本まで」という共通の医学的上限はありません。

 

だからといって、何リットル飲んでも同じという意味ではありません。

1本と5本なら、摂取する水分、カロリー、糖質、その他の成分の量も違います。

ただし、これはノンアルコールビールにだけ存在する特殊な問題ではありません。

コーヒーでも、ジュースでも、スポーツドリンクでも、「何を、どれだけ飲むか」を見る必要があります。

「毎日かどうか」だけで決める話ではありません。

 

0.00%なら、「毎日」という言葉だけで怖がらなくていい

ノンアルコールビールを毎日飲んでも大丈夫なのか。

現在ある研究を見ていくと、答えはかなりシンプルです。

アルコール0.00%なら、健康な成人が毎日飲むこと自体を特別に避けるべきだとする強い根拠は見当たりません。

実際、0.0%のノンアルコールビールを毎日摂取したヒト試験でも、「毎日飲むこと」そのものによる明確な健康悪化は示されていません。

そして、普通のビールから0.00%へ置き換えるのであれば、アルコール摂取量を減らすことができます。

カロリーや糖質は商品によって違う。

添加物を使う商品もある。

でも、それは「ノンアルを毎日飲む」という行為そのものの危険性とは別の話です。

見るべきなのは、毎日かどうかではなく、何を飲んでいるのか。

0.00%のノンアルコールビールまで、普通のお酒と同じ感覚で「毎日はまずいのでは」と怖がる必要はないのです。

 


主な参考文献・資料

  1. 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」2024年。

  2. Yoshimoto H, et al. “Effect of provision of non-alcoholic beverages on alcohol consumption: a randomized controlled study.” BMC Medicine. 2023;21:379. DOI: 10.1186/s12916-023-03085-1.

  3. Dobashi S, et al. “Non-alcoholic beverage provision reduces alcohol consumption and improves health-related outcomes, with no effect on presenteeism: a randomized controlled trial.” Scientific Reports. 2026. DOI: 10.1038/s41598-026-58855-7.

  4. Hernández-Quiroz F, et al. “Impact of Beer and Nonalcoholic Beer Consumption on the Gut Microbiota: A Randomized, Double-Blind, Controlled Trial.” Journal of Agricultural and Food Chemistry. 2022. DOI: 10.1021/acs.jafc.2c00587.

  5. Kreimeyer H, et al. “Non-Alcoholic Beer Influences Glucose and Lipid Metabolism and Changes Body Composition in Healthy, Young, Male Adults.” Nutrients. 2025;17:1625. DOI: 10.3390/nu17101625.

  6. 消費者庁「食品添加物」。

ブログに戻る